logo

山岳信仰の山 相馬山

投稿者:おーちゃん

お疲れ様でした。
相馬山は榛名山域の第二の高峰ですが、関東平野から一気に屹立しているので、山頂から見下ろす眺めは、利根川、碓井川流域を収め抜群でした。逆に関東平野の遠くからでもその峻峰は認められ、流域の村々の信仰の対象になったようで、山頂の黒髪山神社の境界の石造角柱には、地元よりも玉村、神川、本庄、上里など遠隔の地名が多く刻まれていました。

頂上直下の急峻な山道に点在する信仰の講を率いた導師の碑や(左下写真)、長径10㎝はある重い鉄鎖が修験者の道を忍ばせます。今でも、頂上の籠り堂(右下写真)に祈りを捧げる修験者の集団を見ることがあります。

黒髪山神社の本社(里宮)は、相馬山の南麓、やすらぎの湯から北西4kmの地に社殿、神域ともに厳然としてあります。往時の人は相馬山を仰ぎ見ながら本社の宿坊に参り、そして南面参道を写真の山頂鳥居まで標高差1000mを上り詰めたと想像します。しかし今この南面参道は荒れ果てて立ち入り禁止になっています。私は昔、この参道を探訪し、導師を讃える数多くの石碑が、廃参道に沿って亡霊のごとく立ち並んでいる光景に会いました。そして踏み跡を頼りに南面を延々と遡り、最後に山頂直下の鳥居(写真)に辿りつきました。今回の山頂からヤセオネ峠への道が北面の参道でいくつか鳥居があります。松の沢峠からの登りは西に相当しますが、鳥居などは見当たりません。そしてまた相馬山には、伊香保温泉から登る東の参道がありました。近世の村の石碑、石造りの道標もあって、山渓の30年前の「東京周辺の山」にはファミリーコースとして紹介されている素敵なコースでした。相馬山南参道、相馬山東参道という歴史ある参道が、何故か今は群馬県によって閉鎖されています。

以上


コメントする
コメントするにはログインが必要です。
コメント
0
コメントはまだありません